文鳥三昧

文鳥ケージ ~ 飼育情報

他人様にお勧めできるような飼育はしている記憶はありませんが、文鳥を飼育する上で、ちょっとこだわっているケージの紹介です。

私は、幅46cm×奥行46cmの手乗りインコ用のケージ(入口が大きく開くタイプ)を使っています。HOEIの”46インコ”とか”ハートフルハウスLL”という商品名で売られているものです。
一般的には、幅35cm×奥行35cmくらいのものが文鳥用のケージとして売られていますが、一羽飼いならともかく、ペアでこのサイズでは小さいと感じるからです。止まり木は上下に1本づつ。身動きが取れないほどではないのですが、上下の止まり木を行き来する程度のことしか出来ません。人間の家に例えれば、6畳1間づつの2階建ての家という感じです。住めなくはありませんが、狭いです。せめて、HOEIの”35手乗り”くらいの高さがあれば、6畳1づつの3階建て。家族で住むなら、このサイズが許容できる最小の大きさでしょう。

ところが、世の中では「手乗り用」と称してもっとコンパクトなケージも売られているようです。「手乗りでケージの外にいることが多いのだから小さいケージでいいのだ」というセールストークでこの手のケージを販売している小売店も見かけます。本当にそうでしょうか? 放し飼いされているような家庭ならともかく、大抵のご家庭では、”手乗りだからケージの外にいることが多い”などという事はないはずです。平日、仕事や家事をされていれば、放鳥できる時間は2~3時間、多くても4~5時間というところではないでしょうか。1日は24時間もあるのです。鳥ですから半分の12時間は寝ているとしても、起きている時間の半分以上はケージの中で過ごすことになります。犬や猫は服まで着せられて自由に部屋の中を闊歩している時代に、鳥だけが6畳1間2階建てのケージに閉じ込められていてよい理由があるとは、私には思えません。わずか11cm、愛しい文鳥のために自分の部屋が狭くなっても何の不便があるのでしょうか?

ただ、このサイズのケージを文鳥が気分よく過ごせるようにするには、色々と細工が必要です。

  1. 止まり木を増やす
    標準でケージに付いている止まり木は上中各1本だけです。インコならこれで十分でも、文鳥がこのサイズに止まり木2本では宝の持ち腐れです。バシバシ止まり木を追加しましょう。上2本、中2本、下1本に配置しています。上と中の追加分1本は46cm長の止まり木を横に通すのではなく、長さの違うものを斜めに取り付けて変化を持たせています。更に、ブランコを怖がらない子のケージには、最上段にブランコを設置してあります。
    止まり木は、”止まり木”としてペットショップで売っているものでも構いませんが、都合のよい長さのものを探すのは面倒です。ホームセンターに行くと、色々な太さの丸い棒で長さ1mくらいのものが販売されています。ペットショップでも売っているところがあります。適当な太さのものを買ってきて、ノコギリで適当な長さに切断、切り口に切り込みを入れれば、好きな長さの止まり木を作れます。
  2. 出入り口に止まり木を付ける
    このケージは前扉が大きく開くので、鳥の出入りやグッズの出し入れはしやすいのですが、気の小さい文鳥にとって、大きなケージの奥の方からいきなり人間の部屋に飛び出すのは、かなり勇気がいるようです(特に、まだ部屋になれていない場合)。そこで、出口のすぐ手前(扉を閉じると止まり木として役に立たなくなる位置)に止まり木を1本追加してあげました。多くの文ちゃんたちは、まずこの止まり木に止って、部屋の様子が安全なのを確認してからお気に入りの場所に飛んで来ます。また、ケージが広い分、ケージに入るときも内部の止まり木に直接飛込むのは難しくなっていますので、ケージに入るときの止まり木としても、この止まり木は必須です。
    出るときに止まり木を使わないのは、今のところ1羽だけ。唯我独尊・傍若無人のやんちゃ坊主のルートだけは人の苦労も全く無視して後方の止まり木から飛び出てきます。そのルートでもケージに入るときは、この止まり木を必ず使っていますので、この止まり木がないとケージに戻れずに、帰宅拒否症になってしまうかも知れません。
  3. ケージの外にも止まり木付ける
    文鳥たちの仕草を観察していると、ケージに入るとき、遠くから直接入口に付けられた止まり木に飛んで来ません。必ずケージの上あるいは開いている扉の上に止まってから中に入ります。恐らく、鳥は、ものを立体視できる範囲が限られているので、出入り口に止まり木を付けただけでは目だった目標物がなく、直接飛込んむのが難しいのではないでしょうか。手乗り用のケージで、扉が前に倒れるタイプのものも売られています。あの扉は、ケージに入るときの目標物にもなるので入りやすそうです。このケージも同じくらい入りやすくする方法はないかと試行錯誤を繰り返して、今のところ扉の上に片止めタイプの止まり木を取り付けています。留め具のプラスチックは常時付けたままですが、止まり木は、放鳥時以外は抜いて邪魔にならないようにしています。
  4. アウターバードバス
    止まり木を増やしていくといくら広くても「糞が落ちてこない場所」は、どんどくん少なくなっていきますので、ケージの底に置くタイプの水浴び器を使うのは難しくなってきます。アウターバードバスは必須です。ところが、インコ用のケージではエサ入れが大きめなので普通に片方のエサ入れ用の出し入れ口にアウターバードバスを取り付けたのでは、手前の止まり木との距離が長すぎて、中に入りにくくなってしまいます。そこで、アウターバードバスの手前に短い片止め止まり木を1本追加してあげます。
    試行錯誤しながら作っているので、変なL字型をしていますが、普通の短い止まり木でOKです。
  5. 粟穂の位置
    粟穂は、オモチャ兼用の副食として大抵の文鳥に人気です。止まり木を斜めに設置してあげると、上中段あるいは、中下段で止まり木が交差する位置が出てきます。交差した位置にクリップで止めた粟穂を取り付けると、途中で粟穂を動かすことなく、上から下まできれいに食べ尽くしてくれるのも、このケージの利点です。

以下は、このケージに限らず、一般的なお話です。

  1. 水入れ
    アウターバードバスを取り付けると、水入れを設置する場所がなくなります。このケージは、ケージの全面が大きく開くので、アウタバードバスを中央のドア、水入れは普通の位置に設置することも可能なのですが、この配置だとアウターバードバスの位置が中央の止まり木よりかなり低くなるので、バスの手前に止まり木を設置してあげても、なかなかバードバスの中に入ってくれませんでした。(好奇心旺盛な幼鳥のうちに、この配置に慣れさせれば大丈夫かもしれません。)
    そこで、水入れはチョコを利用しています。大きなペットショップに行けば、鳥かご用のチョコ掛けとそれにあうチョコが売っていると思います。外付けタイプの水差しも売っていますので、お好みでそちらを利用してもよいかと思います。ただ、あれは私はキライです。倒すと水がこぼれてしまうので、蛇口からケージまで持って行くときに倒さないように移動させるのが面倒なんで…
  2. フン切り網
    フン切り網は、取る派・付ける派に二分されるようです。私は取ってあります。鳥が糞に直接触れないので衛生的、と言われるフン切り網ですが、フン切り網に糞が付くのは避けられないので、むしろ汚らしく感じます。且つ、フン切り網を洗うにはケージの下部を分解しなければならないので、頻繁に洗っていたら面倒でやってられません。フン切り網は取り去って、スライド式の底板を毎日洗ってあげた方が衛生的と思います。

  3. スライド式の底板を毎日洗う、と書きましたが、もう一つ試している方法があります。スライド式の底板に土を敷く方法です。土は「ネイチャーランド」と「バードサンド」を配合して使用しています。糞などを微生物に分解してもらって、洗う手間すら省いてしまおうという作戦です。当然、瞬時に糞が分解されるわけではありませんが、エサと水と糞をごちゃ混ぜにまき散らかされても、水分は土が適度に吸収してくれるので”グチャグチャ~”とした感じにならず、見た目はなかなか衛生的です。
    ゴミが溜まったら、#20の粉ふるいを使ってふるいを掛けて、ゴミを取り除きます。感触としては、数週間に一度、ふるいでゴミを取り除けばよさそうです。

Copyright (C) bko 2005,18